2010年9月14日火曜日

看板が落ちてくる?

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● 落ちそうになっているナンバーボード?


 「デカまるこ」が日本へ帰るので飛行場まで送っていった。
 いつもなら手続きをして搭乗券を取得するのを確認したら、ホールで別れるのだが、今日は時間があることなので、ロビーへ入った。
 ここに入るには搭乗者、送迎人を問わず手荷物検査がある。
 バアさんのがひっかかった。
 「ブッツブッブー」
 ハンドバッグを開けて中のものをすべて出す。
 でも、何がひっかかったかわからない。
 係官がバッグをもって姿を消した。
 どうもバアさんは機械にテロリストと間違われたようだ。
 しばらくして戻ってきて、「ok」が出た。
 次にボデーチェック。
 これ任意で行われる。
 今度は私が選ばれた。
 いろいろな国の言語で書かれたパンフレットから日本語版の箇所を読まされる。
 任意で行われますが同意しますか?
 というものである。
 同意しないと、入れないということになるので、否応ない。
 両手を挙げて、あの孫の手のような検知器で体中をサーチする。
 もちろん、至極安全な日本人であり、シテイハンターのように拳銃などブル下げてはいない。
 検知器の先にメモリーがついてあって、それをはがして検査機にいれるとプリンターが「ビッツビッツー」と動作してデータが取り込まれ終了となる。
 どうも統計データを採っているようである。
 これ重要なこと。
 統計なき論は説得力に欠ける。
 「でかまるこ」だけは素通り。
 機械は老人を対象にチェックしているのか。
 少々フクれ気味になるが、まあ健康検査だと思えばいい。
 
 さて、ロビーに入る。
 ロビーはフードコートのようになっており、真ん中に椅子机の列がある。
 手前側におみやげ屋ならびにコーヒーショップやファーストフードなどの軽い食事を出す店が並んでいる。
 ここでお茶でも飲みながら搭乗者は出発まで送迎者たちとひとときを過ごすことになる。


● ロビー&フードコート(突き当たりが6番ゲート、その手前が5番ゲートになる)

 奥側(写真では左側)はガラスの壁。
 その向こうは飛行場の滑走路。
 ロビーのゲートから直接に滑走路に出られ、降機ならびに搭乗ができるようになっている。
 また、お手軽に飛行機の発着が見学できるようにもなっている。
 ちょうど小ぶりのジェット機が飛びたった。


● 国内線:出発パッセンジャー


● 搭乗終了


 このゲートのドアの上に設置されているのが稿頭の写真の案内版。
 「GATE 4」
 「4」がズレて落ちそうになっている。
 これはちょっと危険だ、工事人をすぐに呼んで直さないといけない。
 
 いつもはここに入ることはなく、よって入ったのは2年ぶりくらい。
 そのころは、この空港を国内線専用から国際空港へ格上げするための工事がいろいろ行われていた。
 滑走路を延長し、検閲、入出国の施設を整えたりである。
 ロビーも工事中で、ベニヤの壁で仕切られてスペースは小さく、天井はなくダクトなどがむき出しであった。
 いまも天井はなくダクトはむき出しであるが、ちゃんと塗装仕上げされて、工事は完了している。
 このときもロビーに足を踏み入れてはじめに眼に飛び込んできたのが、この落ちかかった看板であった。
 「こりゃ危険だ!」
 工事中なので、いろいろアクシデントはつきものである。
 取り付けはしたが、なにかの拍子でボルトでもぬけたのであろう。
 下を通った人の頭にでも落ちたらタイヘンなことになる。
 係の人は、と見回した。
 ちょうど向こうから2人でおしゃべりをしながらやってきた。
 あっつ、これで処置されるであろう。
 が、平然とこのボードの下を過ぎていく。
 まるで上を見ない。
 構内を見まわるのが仕事だろう、なんで看板をチェックしない。
 目線より上は無視か?
 「どういうことだろう?」
 うーん。
 ということは、この看板、正常に取り付けられているということか。
 ナンバー「4」は斜めに正しく設置されているということになる。
 「ホー!!!!」
 これデザイン‥‥か!。
 日本人の感覚では考えられない。

 案内はデザインより機能を優先する。
 まして国際線ならもっとも標準的な形式をとらないといけない。
 さまざまな国々の文化の違いから、理解不能者が出てくることも考えられる。
 あるいは幼子から老人、知的障害者までいろいろな人が利用する場所は慎重にも慎重をきさないといけない。
 よって、こういう場所のちょっとうがったデザインは日本では決して認められない。
 私はこの考えは正常だと思う。
 なら、この看板は不可か。
 いえいえ、こういうデザインを押し通してしまう融通性の良さに脱帽してしまいます。
 日本ほどに几帳面に事を為していくことは世界に出るためには絶対に必要なことである。
 それが品質管理のレベルの高さの表現でもある。
 が、一歩下がってこういう国際線でもローカルな空港には、それとは一歩違ったそこそこの面白さがあってもいいように思える。
 日本でもローカル空港なら、その地特有の違った文化デザインがあるはずである。
 この看板はちょっと斜めにつけただけで、字体そのものは正常である。
 日本ではどうだろう、きっと面白いデザインが生きているのではないだろうか。


 ちなみに今回、「5」と「6」も撮っておきました。
 2年前のときにはこのゲートはありませんでした。





 この「GATE 6」の向こう側が国際線の搭乗口になります。
 「でかまるこ」はこの右横の入口から入って出国手続きをして、GATE6の向こうのホールに出て、それから8番ゲートへと向かっていった。



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 [かもめーる]



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