_
● 盟主:ブラックスワン:こくちょう
今日は大晦日。
久しぶりの快晴。
雲はあるが青空が広がっている。
これで年初めの生活防御は考えなくていい。
せっかくの晴れ間、何処へいこうかと思案する。
ボタニックガーデンがいい。
海岸は人出があるだろうから。
そういえば今夜はニューイヤー花火である。
このまま夜まで晴れてくれれば、きっと素晴らしい花火大会で海岸は人の波で大変だろう。
海はやめて手近な庭園散歩にする。
車で十分少々。
ゴールドコーストのボタニック・ガーデンというのはあまり馴染みがないでしょう。
つい最近やっと完成したもの。
場所は、ロイヤルパインのゴルフ場の隣。
地図では右下の黒く囲んだところ。
左側の道路を挟んだ緑色はゴルフ場。
ローヤルパインというのは松下興産が開発して、プリンスホテルのあるリゾート。
googleマップなら「Rosser park, Goldcoast, Australia」で表示できます。
下は案内所においてあったパンフレットである。
航空写真と付き合わせると概要がわかります。
下が入り口。
● Gold Coast Regional Botanic Gardens: Rosser Park
今日の人出はせいぜい数十人ほど。
バーベキューパーテイの連中もいた。
このガーデンは大きく3つに別けられる。
まず右側の青いひょうたんのようなのが池。
この周りに散策路や橋がある。
中央の緑の帯が湿地帯。
そして左側の小さな犬の絵が描かれているところが、そにまま犬の散歩エリア。
単純にいうと庭園の1/3は犬のために作られているといってもいい。
「Gold Coast Dogs Botanic gardens」の名称でも大きな間違いにはならない。
● 池の部分を橋の上から見回してみる
池のエリアで勢力を誇るのがネッタイバン(Dusky Moorhen)。
なかなか見かけない鳥だが(通常、セイケイ:Purple Swamphen と間違えられている)、ここでは足元までよってくる。
● ネッタイバンの親鳥とヒヨコ
苔むしたカメと見知らぬカルガモが。
このカメ、おおきいですね。
これカルガモであることは確かだが、こんな配色のカルガモはこれまでみたことがない。
ここにはときどきオーストラリア鳥図鑑に載っていない野鳥がいる。
たとえば、この鳥。
形はネッタイバンとそっくり同じだが、ネッタイバンはくちばしから鼻筋は赤である。
が、この鳥はその部分が黒である。
そういう鳥がいるのかと思って調べているが図鑑には出ていないのである。
「鷭」の種類であることは間違いないので、すぐに分かってしかるべきなのだが。
鵜がいました。
鵜をとるのはちょっとやっかい。
潜るところは撮れるが、何処へ出てくるか分からないからだ。
下はシロハラコビトウ:Pied Cormorant。
これはなんとか撮れる。
が、まるでだめだったのはクロウ(黒鵜):Little Black Cormorant。
潜水時間が実に長い。
よって、とんでもなく遙か向こうに浮かび上がってくる。
望遠でも効かないほど。
湿地帯の盟主はこの鳥、ブラックスワン:Blackswan。
この名前、最近では映画でおなじみ。
よって、ブラックスワンで検索しても、まるで出てこない。
ちょっと、寂しいことになってしまった鳥でもある。
和名では「黒鳥:コクチョウ」
ツガイでいるが、白いヒヨコがいたはずである。
が、今日はみあたらない。
右足がおかしい。
ということは、「犬にやられた」
なにしろ、この横がドッグエリアである。
別に仕切りの柵があるわけでもない。
よちよち歩きのヒナなどひとたまりもない。
オヤドリが食われたヒナを助けようとして、脚をガブリとやられたといったところか。
「かわいそうなブラックスワン」
なにしろ犬害が日増しに増加している。
その犬のために、広大なエリアを提供しているのだから、人間のエゴイズムとは測りしれない。
ただ、カワイイカワイイ!、だけ。
つい3日ほど前の記事をあげておきます。
『
25today.com - 2010年12月28日
http://www.25today.com/news/2010/12/post_5154.php
ペット動物が野生動物襲撃
動物福祉団体が統計発表
12月27日、動物福祉団体が、国内で野生動物を襲っているのは犬や猫などのペット動物で、飼い主の責任は重大と発表した。
発表したのは、Wildlife Information, Rescue and Education Service (WIRES、野生動物情報救助教育サービス)で、
「過去5年間に、犬や猫がオーストラリアの野生動物を襲った例は17,000件が記録されているが、これは現実のほんの一部に過ぎない。
記録されているのは、負傷したり、親を失ったために動物福祉団体に収容された野生動物の数であり、死亡したり、報告されなかった件数は何十万件にも上るはず」
としている。
WIRESのリアン・テイラー統括本部長は、「事件のほとんどは飼われている犬や猫が襲ったものと見られる。
野生化したペット動物なら捕らえた獲物を食べるのが普通だ。
しかし、最大の責任は、ペットを監督しない飼い主にある。
犬や猫が他の動物を襲うのは自然界の摂理だから、犬や猫を責めるのは当たらない。
人間が犬や猫の行動に責任を持たなければならない」と語っている。
WIRESは、NSW州のSydney Metropolitan Wildlife Service (SMWS、シドニー首都圏ワイルドライフ・サービス)、QLD州のWildcare Australia (WA、ワイルドケア・オーストラリア)、VIC州のWildlife Victoria (WV、ワイルドライフ・ビクトリア)と協力して統計を編纂した。
VIC州では、5年間に記録されている野生動物被害のうち1,631件が飼い猫、1,163件が飼い犬による被害だった。
また、70頭近いコアラが犬に襲われており、カンガルーの被害は60件、ブルータング・リザードの被害も143件あった。
また、1,100頭を越えるポッサムが猫や犬に襲われている。その中には、eastern pygmy possum(フクロヤマネ)、Mitchell's hopping mouse(ミッチェル・ホップマウス)、mountain brushtail possum(コミミフクロギツネ)など希有種も含まれていた。(AAP)
』
もう一つ、珍しい鳥に会いました。
ナンヨウクイナ(Buff-banded Rail)。
なにしろ僅かな気配でも逃げる。
よほどの注意を払っていないと、まず、この街で視認することはできない、といっていい鳥のひとつである。
近寄って撮るなんてことはまず不可能。
遠くから、「もしかしてクイナかもしれない」と思ったら、そぐに立ち止まっていくら離れていてもいいから、シャッターを切り続けることだ。
そして、パソコンで拡大してみることだ。
下が原画。
白いクイのあいだにクイナがいるのです。
最大望遠でほぼ当てずっぽうで撮っています。
拡大してみてください。
わずかに確認できる程度である。
この街でそこに住む日本人がナンヨウクイナを見た、というのはよほどの幸運の持ち主といっていい。
さて、最後は。
韓国ではこの雨でまつたけの収穫が50倍にもなったとありました。
そうです、マツタケがあったのです。
ゴールドコーストの雨も多く、ついにマツタケはが生えてきました。
「本当に?」
と、言われると返事に困るのですが。
下の写真が「オーストラリア産マツタケ」です。
「まるで違う」
と、いうことなかれ。
ちゃんとまちがいなく松林に生えていたのです。
● 横の木は松で、地面は松葉のジュウタンです
遊歩道の脇に松林がありました。
下は松葉が堆積していて草は生えていません。
ちょっと入り込んでみたら、そこにめずらしいキノコが生えていました。
時といい、場所といい、ピッタリです。
よってこれを、
「オーストラリア・マツタケ」
と命名しよう、ということにしたのです。
わたしが勝手に。
今年のシメは「マツタケ」でした。
いい年でした。
ボタニックガーデンはドッグエリアをのぞけば1時間あれば十分鑑賞できます。
[かもめーる]
_