● ウィベンホー・ダム:Wivenhoe Dam
● ハインツ・ダム:Hinze Dam Stage-3
ここ数日晴れ模様であり、ブリスベンの復旧は急ピッチで進んでいる。
これから、さまざまな問題が吹き出てくるだろう。
一番大きな問題は保険。
保険会社は天災として支払いを拒んでいるが、回復費用が少しでも欲しいのは被災地の誰ものこと。
どこまでが保険保証の範囲化が大きな問題となってくるだろう。
が、それは社会的なことであって、この国のシステムに疎い人間の首の突っ込めることではない。
興味のあることは、これは人災なのか天災なのかということ。
もちろん天災であることは間違いないが、技術的論理的にどこまで防げ、その対策がなされたかである。
それをシビアーに追求することで、もしかして次に何時か来るであろう同じような災害に対する予防のガイドラインができてくる。
でも、圧倒的な自然の脅威に、小手先で対応しようとしてもどうなるものでもない。
やはり、基礎的部分で対応するかないだろう。
『
.25today.com - 2011年1月17日
http://www.25today.com/news/2011/01/post_5192.php
「ブリスベン市内に堤を」とクリーン
「市内浸水は防げた」と土木技師
QLD水害の復旧が進むと同時に原因究明や再発防止策の調査委員会が始まる。
16日のボブ・ブラウン緑の党党首の「石炭産業が責任の一半」と発言し、マーチン・ファーガソン資源担当相に、「今は指弾の時ではない」と叱責されたのが、その前哨戦とも言える。
17日には、サイモン・クリーン地域担当相がオーストラリアン紙のインタビューに答え、
「市内の一部地区は河畔にあり、しかも傾斜地の谷にある。
水害を防止するためには、こういう地区ではブリスベン川に堤を築くべきではないか。
単に低地開発認可の問題ではない。洪水の危険を減らす対策も取れたはずだ。
また、一部地区では住宅再建をあきらめるべきではないか」
と語った。
また、1974年の水害の教訓を元にブリスベン首都圏の治水ダムとして建設されたウィベンホー・ダムが洪水時満水位に近い「190%」の貯水量になったため、ダム湖への流入量に等しい水量の放流を始めたのと、ロッキヤー・バレーから流れ下ってきた川水、それに大潮満潮とが時期的に重なってしまった。
17日付オーストラリアン紙は、土木技師マイケル・オブライエン氏の意見を掲載し
、「1月7日(金)から週末にかけて、ウィベンホー・ダムの放水量を比較的少量に抑えたことでその後の洪水は決定的になった。
当時の放水量は20万メガリットルとされているが、ダム湖の容量と放水量から計算して、水害前にできるだけ放水していれば、下流の被害は軽減できたはずだ。
しかし、この計算は公開されている資料を元にしており、正確な計算はダムを管理している SEQWaterの資料の全面公開を待たなければならない」
と記載している。
これに対して、SEQWaterのバリー・デニエンCEOは、
「1月8日9日の放水量はその後に比べて少ないが、放水量は洪水軽減操作手順書に従って決めており、その後に異常豪雨があるとは誰も予知できるものではない」
と反論している。
また、州政府のスティーブン・ロバートソン天然資源担当大臣も、
「すべての証拠から、SEQWaterが当時の状況でできる限りのことをしたと認められる。
水害再発を防ぐために何ができるかは今後の調査を待たなければならない」
と語っている。
また、ウィベンホー・ダムは現在貯水量120%で現在も放流中、サマーセット・ダムは現在貯水量100%と発表した。
野党LNPのジョン=ポール・ラングブレーク党首は、
「州民は事実を知る権利があるが、現在は責任問題を追及するべき時ではない」
と語り、深入りを避けた。(AAP)
』
前に述べたように、ウィベンホー・ダムは霞ヶ浦の1.3倍の貯水量を誇る。
これはダムであってレイクではない。
つまり、霞ヶ浦のような自然湖ではなく、人工的につくられた湖、つまりダムなのである。
1974年に同じようにブリスベンを襲った水害の雨量データを元に、ブリスベン川上流を堰き止めて造られたのがこのダムなのである。
よってとてつもなく膨大な貯水量から計算されて造られたものある。
情報記事を読んでいて専門的で分からないことがある。
それが、
『洪水時満水位に近い「190%」の貯水量』。
通常、100%とはダムの満水と思うが、どうもそうではないらしい。
調べてみた。
『
ダム用語
http://www.pref.miyagi.jp/snd-dam/yougo/yougo.htm
』
ダムの水位を表現するにおおよそ3つのレベルがあるらしい。
①.サーチャージ水位(さーちゃーじすいい)
②.常時満水位(じょうじまんすいい)
③.最低水位(さいていすいい)
サーチャージ水位とは「洪水時最高水位」のことで、
「洪水時にダムによって一時的に貯留することとした貯水池の最高水位」
のことである。
つまり、ダムがオーバーフローする直前の水位であると思っていいようだ。
このレベルでのダムの貯水量を「総貯水容量」という。
蓄えられたありとあらゆる水の量ということである。
常時満水位とは「平常時最高貯水位」のことで、
「平常時に利水目的(水道、かんがい、工業用水等)に使用するためのダム湖に貯める事が出来る最高水位」
のことである。
これが通常の「満水状態」といわれているものである。
最低水位とは「通常これよりも下の貯留水が利用できない水位」のことである。
これより下はいわゆる利用不可の「底水」である。
釣りをするに支障はないが。
各水位の差から算出される水量が下記になる。
①. 洪水調節容量=サーチャージ水位-常時満水位
②. 利水容量=常時満水位-最低水位
③. 有効貯水容量=総貯水容量-最低水位容量
通常「**%」と言われているのは、利水容量の度合いである。
よって、「190%」とは、利水容量を「1」としたときの現在のダムの貯水容量ということになるようだ。
つまり、2倍近くの水を抱え込んでいることになる。
今回はウィベンホー・ダムの水量がサーチャージレベルを超えたため、ダムの安全上放水し、そのためにブリスベン川の水嵩が増して、洪水を起こしたということである。
記事にある「放水量とかタイミングとか」は末端のことであり、要はダムの予定能力を超えるほどの大雨が降ったということである。
記事にあるようにさまざまな異常気象が観測されている中では、果たしてダムの容量をこのまま据え置いていいかという問題が浮上してくる。
おそらくは、ダムの嵩上げ工事がスケジュールに上ってくるだろう。
15%から20%くらいの総貯水容量の増加が見込まれるのではないだろうか。
(注:総貯水容量に対して「**%」の表示をする場合もあるので文脈に注意を要する)
ちなみに、ゴールドコーストの水瓶はハインツ・ダム(Hinze Dam)である。
これはウィベンホー・ダムの1/8のほどの大きさであり、先年の干魃時には真っ先に干え上がってしまった。
● ハインツ・ダム(Hinze Dam)
そこで現在、擁壁を15mほど嵩上げして、貯水容量を8割ほど増やす工事が行われている(stage 3)。
その「Stage 3」のビデオが2日ほど前に公開されました。
『
Hinze Dam Stage 3 2011/01/15
http://www.youtube.com/watch?v=7XpW7eAyxUI
』
なを、ダムの現在の状況は下記のサイトに載っている。
『
seqwater
http://www.seqwater.com.au/public/dam-levels
』
日本総領事館、開館のお知らせ。
『
在ブリスベン総領事館開館のお知らせ(1月18日) - 2011年1月18日
本18日午後2時より、在ブリスベン総領事館は通常どおり開館いたしました。
当館開館に伴い、クイーンズランド州洪水対策本部を総領事公邸より総領事館事務所に移転しましたので、連絡先が以下のとおり変更となります。
○開館時間中(9:00~17:00)
当館代表電話:07-3221-5188
○夜間・休日等閉館時間中に緊急を要する場合(17:00~9:00)
携帯電話:0418-152-022
つきましては、従来使用しておりました以下の洪水対策本部連絡先は使用できませんので、ご注意ください。
直通電話:07-3268-1399
携帯電話:0418-783-684
本件洪水被害に関し、州防災当局は緊急の際の連絡先を以下のとおり発表していますのでご参考にしてください。
1.生命に関わる緊急の連絡先:000
2.緊急性を要さない警察への連絡先:131444
3.洪水被害に関する連絡:132500
4.洪水被害の安否照会:1300-993-191
引き続き在留邦人の皆様におかれましては、州政府のホームページやニュース等により最新の情報を入手するなどして安全確保に努めてください。
』
クイーンズランド洪水救済イベント開催
『
クイーンズランド洪水救済ゴールドコーストイベント開催 - 2011年1月20日
日時:今週日曜日 1月23日
時間:11:00AM~1:00PM
場所:カビルモールの野外ステージ
ゴールドコースト日本人会、アフリカ人会、マルチカルチャル・コミュニティー・カウンシル・ゴールドコーストが洪水救済イベントを開催します。
収益は"The Premier Flood Relief Appeal"に寄付されます。
・日本人和太鼓チーム"キズナ"
・日本舞踊チーム
・ピンキー ヒューズ(ゴールドコーストアフリカ人会)
・シャンパン(オーストラリア人コーラスグループ)
』
『
25today.com - 2011年1月25日
http://www.25today.com/news/2011/01/qld_312.php
QLD、無事な観光地も風評被災
州復興に「QLD州観光地を利用して」
QLD州観光業界団体は、国民に、「QLD州の観光地を利用することがQLD州復興に貢献」と呼びかけているが、国内でも海外でもQLD州旅行予約の取り消しが相次いでいる。
問題は、大々的な水害報道が災いして、QLD州全体が水害被災地であるかのような風評が広まってしまっていることで、観光業界やQLD州観光局 Tourism Queenslandでは、ゴールド・コースト、フレーザー・コースト、サンシャイン・コースト、ケアンズ、ウィットサンデーズなど被災を受けていない観光地に予約を入れるよう呼びかけ、風評の払拭に努力している。
Tourism Queenslandのアンソニー・ヘイズCEOは、その声明で、「観光に依存している観光オペレータ、中小ホテル経営者、家族経営のビジネスが打撃を受けており、助けがなければ商売を畳むしかない瀬戸際に置かれている。
水害被災地も今後復興途上で観光客の利用を心から望む時期が来る。
水害以来旅行予約が取り消される件数が増えているという話を聞いている。
当局では調査してデータを集める計画を建てている」と語った。
一方、大手長距離バス会社のグレイハウンド・オーストラリアでも現在の動きを逆転させるため、旅行者をQLD州に呼び、できるだけ長く滞在してもらい、お金を落としてもらうため、コストぎりぎりの価格に抑えた「水害救済ホリデー」特別商品を売り出している。
この商品では、ゴールド・コースト、ブリスベン、ハービー・ベイ、エアリー・ビーチ、タウンズビル、ケアンズなどの行く先を期間限定の大幅割引バス料金で売り出している。(AAP)
』
「臨時特別水害復興税」発表
『
25today.com - 2011年1月27日
http://www.25today.com/news/2011/01/post_5218.php
ギラード首相、臨時特別水害復興税発表
年収5万ドル以上の中高額所得者に
1月27日、ジュリア・ギラード連邦首相は、「中高額所得者を対象に0.5%の臨時特別水害復興税を課徴すると発表した。
年課税所得$50,001から$100,000までは0.5%、年課税所得$100,000を超える高額所得者には1%の特別税が課せられる。
キャンベラのナショナル・プレス・クラブで記者会見を行ったギラード首相は、
「$50,000未満の低所得者には一切課税されない。
ただし、年所得6万ドルでも、週あたりの負担額は1ドル未満だし、年所得10万ドルでも週あたりの負担額は5ドル未満だ。
その程度の額を2011年に限って実施し、18億ドルの水害復興資金を得ることができる
また水害被災者には課税しない」
としている。
これまでに試算されているところでは、連邦政府の水害負担額は、再建、災害援助金などを含め56億ドルに上るだろうとされている。
また、QLD州再建経費は39億ドル、それ以外の州の水害被害額は10億ドルにのぼると見積もられており、ギラード首相は、
「そのためには緊急に50億ドルを見つけてこなければならない」
と語っている。
また、50万人にのぼる国民への短期経済支援には6億ドルを超える予算が必要であり、中小事業や農家への復興補助金が1億 2,000万ドル必要になる。
今年度のGDP成長率が水害で0.5%押し下げられた。
特別復興税の他、
「水害復興に必要な臨時技能移民の申請認可処理を特別優先する。
復興に必要な職種のリストで認可を待つだけという申請については5日間で裁決する。
また、他州で求職しており、QLD州に移住して復興職種に就く意思があり、長続きする労働者の転地収入援助を4,000人まで割当枠を確保する。
国民経済が成長途上にあり、収入も伸びている現在、水害復興に力を入れることができる。
将来の経済成長をあてにすることができない以上、今できることに力を注がなければならない。
QLD州復興を借入金でまかなうことはしたくない。
また、経済からある程度内需を減速しない限り、技能労働力や資材価格が上昇し、高インフレ、高利率になって跳ね返ってくる」
と語っている。
さらに、
「連邦は、州に対して20億ドルを、今年度内に支払いまでの手続きが済み次第支払う。
この資金で60を超える地区の復興を始めることができる。
また、QLD州政府が、復興に向けて建築許可などできるだけ簡略化し、再建を急ぎたいとしていることも支持できる。
ただし、長期を視野に入れた再建計画も必要だとしていることも支持できる」
と述べている。
さらに、
「水害損害の56億ドルをいくつかの方法で工面したい。
特別税で18億ドルを調達し、一部インフラ・プロジェクトを遅らせることで10億ドルを作ることができる。
そうすれば資金だけでなく、技能労働者を復興に振り向けることができる。
また、産業援助金廃止など予算節減で28億ドルを作ることができる」
と述べている。
その他にも予算削減や上限を設けることで復興資金の財源を確保する考えが述べられており、特に炭素排出抑制プログラムがある。
数多くあるプログラムの中には、「炭素価格化」制度より非効率的なプログラムも多く、廃止しても問題がないとしている。(AAP)
』
[◇]
アボット・ギラードの臨時特別税騒動
『
25today.com - 2011年2月05日
http://www.25today.com/news/2011/02/post_5236.php
国民の悲劇をよそに政治駆け引き
ギラード首相が、高所得者のみを対象にした低率の「水害復興臨時特別税」を打ち出したのに対して、アボット・リーダーは、「臨時特別税は経済に負担」と反対し、経済鈍化を招くには余りにも小さい額と指摘されると、今度は、オーストラリア人好みの
「メートシップ(仲間意識)」を引用し、「仲間は助け合う。税金をかけ合わない」
と言って反対した。
しかし、寄付金は被災者に行く、特別税は社会基盤、経済基盤の復興に充てられると指摘されると、
「経済刺激策で無駄遣いした政府に税金の使途が任せられるか」
と言い出した。
そこにコステロ元財相も加わり、2月3日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙で、
「福祉は慈善に任せるべきこと。税金を取って福祉に回すようでは福祉国家になってしまう。
福祉の国家負担が大きくなるほど、博愛精神はしぼんでいく」
と興味深い論説を展開している。
2月1日にメルボルンでの昼食会に出席したギラード首相が、
「アボット氏が政府の臨時特別税に反対するのは偽善もいいところ。
昨年の選挙戦で有給育児休暇に臨時特別税を公約したのはどこのどなたでしたか?
自分が特別税をかけるのは良くて、労働党政府が水害復興特別税をかけるのは良くないというわけか。
政治的偽善もいいところだ」
と反駁している。
また、ギラード首相は、アボット氏やコステロ氏が大臣を務めていたジョン・ハワード保守連合政権時代には何度も「臨時特別税」を立法化したことも指摘している。
2月2日には、トニー・アボット氏が自由党経由で支持者に「水害復興特別税」反対キャンペーンを訴え、キャンペーン経費として党に「寄付」を募る一文を添えた。
水害復興への寄付をさておいて、復興特別税反対キャンペーンへの寄付を求めたことに批判が出たため、アボット氏のスポークスマンが、
「寄付要請は自由党が付け加えたもので、アボット氏はまったく関係ない」
と弁明する始末。
当のアボット氏は、
「保守連合は、QLD、NSW、VIC州の被災地のインフラ復興のためにあらゆる努力を傾ける」
と述べ、
「しかし、政府の特別税には反対だ」
としている。
しかし、3日には、アボット氏本人が、
「寄付要請は政党としては標準的な慣行。労働党も水害メッセージで党支持者に党への寄付要請をしている」
と反論している。
また、ギラード首相と机を挟んで、水害復興のための資金を予算から工面するために協力する用意があると主張している。
また、 2010年8月選挙で、予算から500億ドルをひねり出す予算節減項目を見つけたと公約している。
しかし、4日には、ペニー・ウォング予算相が、
「野党は、水害とサイクロンの災害復興財源を予算から見つけると約束していたが、全然何も言ってこないではないか」
と野党を揶揄した。
先週、野党保守連合のジョー・ホッキー財務スポークスマンが、
「連邦議会が再開される前に特別税に代わる財源を発表する」
と約束したことに言及したもの。
ウォング大臣は、
「野党は、反対を唱えるばかりで何の具体的な代案も出してこない。野党は政治ごっこをしているだけだ」
と批判している。(AAP)
』
『
25today.com - 2011年2月14日
http://www.25today.com/news/2011/02/qld_323.php
QLD、ブリスベンのダム事前放流に
水害被災地域に大雨の気象予報
日本でもしばしばダム建設の是非が話題になるが、今回のQLD南東部水害で話題になったウィバンホー・ダムが治水ダムの役割を示している。
(訳注:1974年の水害の教訓からブリスベン北西に築かれたウィバンホー・ダムは、水利も兼ねているため、干害の続いたこの地域で大雨に備えて空にしておくこともできない。
しかし、貯めておき過ぎると大雨の際に洪水貯水の余裕がなくなる。
今回の報道で、同ダムの最大貯水量は210%とされており、 190%ほどになったところで、流入量と同量を放流し始めている。
その時期がロッキヤー・バレーを流れ下ってきた洪水と一致したため、この記事に言及されている「論議」になった。
正確な降雨量が予測できない限り、論議はある程度結果論的にならざるを得ない)。
2月13日、水害被災地域で大雨の予報が出ているため、ウィバンホー・ダムから、年間上水道供給量に匹敵する水を放流すると発表されている。
ダムの役割については、
「早くに事前放流していればブリスベン地域の2万戸の浸水が免れたはずだ」
との批判が出ており、調査委員会でもこの問題を取り上げることになっている。
次の週末(2月19、20日)から9日間にわたり、雨量や潮汐を見計らいながら貯水量25%を放流すると発表されている。
また、当局は、この放流で家屋や農場が浸水することはないとしている。
スティーブン・ロバートソン天然資源担当大臣は、
「依然としてラ・ニーニャが州に居座っており、最大限の用心で対応するしかない。
4月までかなりの降雨量が予報されており、水害の危険を緩和するため、29万メガリットルを放流し、ダムに十分な余裕を作っておかなければならない」
と述べている。
水系を管理するSeqwaterでは、
「大規模な水害を緩和するためには貯水量のかなりの部分を放流しておかなければならない。
1月のダム水量調節は予期できない状況で規則通りに行ったことだ」
としている。
1月水害では、1974年の水害の2倍にあたる260万メガリットルがサマーセット・ウィバンホー水系を通過した。
また、Seqwaterでは、ワイヤラロング・ダムも予定より5年早くすでに10万3,000メガリットルを湛え、満杯になっており、地域上水道水源は安定していると発表している。
ダム放流にあたっては、安全のため、下流のTwin Bridges、Colleges Crossing、Savages Crossingの3橋が9日間閉鎖される。(AAP)
』
[◇]
『
クィーンズランド州政府からのお知らせ2 - 2011年2月17日
災害救済資金援助
Department of Communitiesはクイーンズランド州の政府機関であり、被災地域の復興を支援し、被災した世帯や個人が精神的、社会的、経済的、身体的に望ましい生活を取り戻せるよう援助します。
何らかの援助金を受け取る資格があると思われる場合は、ウェブサイトwww.communities.qld.gov.auをご覧になるか、地域復興ホットライン(Community Recovery Hotline)1800 173 349に電話をしてください。
資金援助
被災した世帯や個人には、「セーフティ・ネット」として援助金が支払われます。この援助金は、保険に加入していない、または保険の請求ができない等の理由 で、政府の援助がなければ必要な家財や持ち家の交換、建て替えまたは修理の費用を賄うことができない世帯や個人への支援です。
以下の援助金が利用できます。
1.緊急援助金
被災直後の数日間は、1人当たり$170、5人以上の家族については1世帯当たり最高$850の援助金が支払われます。この援助金は災害により困難を強い られ、基本的な必需品を賄うために援助が必要な人に支払われます。 小切手が発行され、Commonwealth銀行にて受け取ることができます。地元の支店の営業時間を確認してください。この援助金には収入や資産の制限 はありません。
2.必要家財援助金
必要家財援助金は、保険に未加入であるか保険を請求できないために、クイーンズランド州の自然災害により損失または損傷した冷蔵庫やコンロなどの家財を交換できない人への支援です。借家や持家の区別なく援助が受けられます。
援助金は、成人一人当たり最高$1705、夫婦または家族については最高$5120であり、緊急援助金として支払われる金額を差し引き、収入や資産額に応じて支払われます。
洪水マップまたは被災地域マップに該当する場合、地域復興センターにてすぐに援助金を受け取ることができます。利用できない場合は、クイーンズランド州政府職員が申請者宅を訪問し援助金の適格性を審査します。
3.構造物援助金
構造物援助金は適格である住宅所有者が住居を居住可能で安全な状態に戻すための支援です。対象は所有者が居住する住宅、キャラバン、ボートに限ります。
個人については最高$10,500、夫婦や家族については最高$14,200の援助金が支払われます。構造物援助金が支払われる前に、クイーンズランド州政府の査定人が申請者宅を訪問します。援助金は作業完了後に修理業者に支払われます。
Department of Communitiesは、修理がきちんと完了してから修理費を支払います。
この援助金を受け取るための手続きとしてQBuild の代理人による審査を受ける必要があります。申請者宅を訪問した際に修理の見積書と援助金額の確認書を申請者にお渡しします。
申請者は二件の適切な認定請負業者から修理の見積を受け取る必要があります。その見積もりを居住地区にあるDepartment of Communitiesの地方事務所に送付してください。当機関により修理が認可されます。
修理費が承認された援助金を越える場合は、必要に応じてその他の援助金を申請することができます。
4.不可欠サービスの安全性および再接続のための援助金
住宅浸水後、不可欠サービスの安全性および再接続のための援助金* が認定点検業者による安全点検サービスごとに最高$200支払われ、認定業者によるオーストラリア国家規格に対するサービスの再配管費用について、必要とみなされた場合は最高$4200が支払われます。
安全点検の給付金は住宅所有者に支払われ、復元費用は当機関から修理業者に直接支払われます。
この援助金は収入や資産額に応じて支払われます。
既に必要家財援助金や構造物援助金を申請している、あるいはこれらの審査を受けている場合は点検、修理または材料の領収証か請求書をGrants Processing, Community Recovery,
GPO Box 806, Brisbane QLD 4001まで送付してください。
*この援助金の対象はクイーンズランド州の洪水の被害を受けた居住者に限られます。
5.州首相の災害救済ファンド
クイーンズランド州政府は最近の自然災害に被災した州民を援助するための募金協力を要請しました。
募金協力の要請は当初は、クイーンズランド州の洪水の被害を受けた個人や家族への援助が対象となります。
適格である場合、以下の金額が支払われます。
• 18歳以上の成人1人当たり$2000
• 18歳未満の扶養家族1人当たり$1000
サイクロン「ヤシ」の被害を受けた居住者も対象となっています。現在、Distribution Committeeが資金提供の基準について、設定作業を行っています。
詳細についてはウェブサイトwww.qld.gov.au/floodsをご覧になるか180 22 66まで電話をしてください。
適格性
所得調査
必要家財援助金および構造物援助金または不可欠サービスの安全性および再接続のための援助金を受ける資格が得られる収入の上限は以下のとおりです。
• 個人の場合―週当たり$704*(年間税込で$36,600)扶養家族1人につき+ $51
• 夫婦の場合―週当たり$930*(年間税込で$48,360)扶養家族1人につき+ $51
*上記金額の超過額が週当たり$40以下の場合は、減額した援助金が支払われます。
資産調査
必要家財援助金を受ける資格は、世帯の資産価格が$6,135未満、年金受給者の場合は$25,101未満です。
ただし、主たる住居、家財および車両1台が資産金額から除外されます。
モーゲージ救済ローン
クイーンズランド州の自然災害により住宅ローンの返済が困難になった場合、短期的な援助が受けられます。
モーゲージ救済ローンは、10年間で最高$20,000を返済する無利子のローンです。1年目は返済する必要がありません。
援助金は住宅ローン延滞金や市民税延滞金を清算する目的や、住宅ローン返済について最長6カ月間助成する目的で支払われます。
詳細については、1300 654 322に電話をするかwww.housing.qld.gov.auにアクセスしてください。
その他の資金援助
以下のとおり、他の政府機関からも資金援助が受けられます。
クイーンズランド州の自然災害被災者に対して、オーストラリア政府災害復興給付金が適格成人1人当たり$1000、児童1人当たり$400支払われます。
センターリンクでも、緊急事態または危機に陥っている人を様々な給付金やサービスにより支援します。センターリンク利用者に限らず支援が受けられま す。詳細についてはウェブサイトwww.centrelink.gov.auをご覧になるか、180 22 66までご連絡ください。
クイーンズランド州の自然災害による被害を直接受けたために収入源を断たれた適格被雇用者、零細企業経営者、農家に対する援助として、災害収入復興給付金が利用できます。
適格性などの詳細についてはウェブサイトwww.centrelink.gov.auをご覧になるか180 22 66に電話をしてください。
災害が宣言された地域の適格一次生産者には、災害事象ごとに最高$5000の貨物助成金が支払われます。詳細については、ウェブサイトwww.dpi.qld.gov.auをご覧になるか、132 523に電話をしてください。
災害が宣言された地域の適格一次生産者および零細企業は、クイーンズランド地方調整庁(Queensland Rural Adjustment Authority, QRAA)から最高$250,000の低金利融資が受けられます。詳細については、ウェブサイトwww.qraa.qld.gov.auをご覧になるか、 1800 623 946に電話をしてください。
適格第一次生産者および零細企業を対象に、洪水の被害を直接受けた財産の損害以外の費用を援助するために最高$25,000の特別災害洪水援助金支払われます。
詳細については、ウェブサイトwww.qraa.qld.gov.au をご覧になるか、電話番号1800 623 946のQRAAに連絡してください。
』
[かもめーる]
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