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● オオトカゲ
レッドバック・レン(セアカオーストラリアムシクイ)を探しに今日もクーンババ(Coombabah Lakelands)へ出かけていった。
姿を見たのはカラスにヤマバト、それにご存知カンガルー。
今日は収穫なしとウオークデッキに脚を踏み入れようとした時、前方はるか向こうのデッキの上で何かが動いたような気がした。
ようく見てみる。
どうもちょっと太めの枯れ枝がデッキの上に転がっているようである。
が、まずはカメラにいれておこうと、めいっぱいの270mmでシャッターを切って数枚撮る。
ゆっくり静かに近寄っていく。
いた、枝ではない。
何だあいつは。
でかい。
まさか、チビのアリゲータではないだろうな。
オオトカゲである。
はじめてみる大きさ。
ここはトカゲがやたら多い。
クリーク沿いを歩いていると、しばしば出会う。
トカゲといっても、日本のイモリ、ヤモリといった大きさではない。
らくに数十センチはある。
のっそりしたのから二本足走行の敏捷なやつまで。
二本足走行はあのエリマキトカゲで有名だが、オーストラリア産である。
エリマキではないが、トカゲの二本足走行は度々見ている。
ならばというので、この二本足走行を撮ろうと何度か試みたことがあるほど。
ちなみに言うと、ここには蛇は極めて少ない。
クリークを散歩していても一年に一度会うこともない。
日本ならちょっと茂みにいけば結構見つけられる。
若い時、尾瀬へいった。
そこには原生を踏み荒らさないように木製デッキが敷いてあったが、そのデッキの上に数十匹の蛇がとぐろを巻いたり、寝そべったりしていた。
キャラバンシューズだったので噛まれることもあるまいと、しかたなくケチらして歩いたが。
その分、家の周りにいるヤモリ、イモリ程度の大きさのものを除いてトカゲはほとんどいない。
日本は蛇島である。
が、ここはトカゲ大陸である。
ヘビはトカゲが進化したものであり、究極の進化と言われている。
確かに1本の紐みたいになってしまったら、これ以上の進化は望むらくもない。
ということは、この大陸は進化から見放された地ということになる。
そのせいか、ここの住人はヘビは怖いという。
ヘビを見たら毒蛇と思えという。
が、トカゲに関してはまるで気に止めない。
トカゲの進化したものがヘビなら、毒トカゲがいても不思議ではないのだが。
どうも、創世記のエデンの園の物語が意識を邪魔しているようだ。
確かにトカゲは脚があるから、なんとなく犬猫の親戚という気易さはある。
それからいくと、手足を失ったヘビは、バケモノに見える。
ところで、こんなデカイとかげははじめてである。
頭のてっぺんから尻尾の先まで1メートルは超える。
ときどき、シタをチョロチョロ出す。
デッキは連繋しているから歩くとその揺れが遠くまで伝搬する。
私が歩いているのが向こうに伝わるはずだから、逃げられるかな、と思った。
のそりと歩き始めた。
なんと、こいつが歩くと、デッキに響きが出るのである。
ということは重い、ということである。
はじめ、人がくるのかと後ろを振りかえって、その姿を探したほどである。
人が来れば、逃げられてしまう。
差を詰めて撮る。
先へいく。
また差を詰めて撮る。
あまり近づくと、横に逃げられる。
のそのそと首を振って歩く。
いかにも不器用。
エリマキトカゲのような俊敏性を備えたものもいれば、このオオトカゲのように怠惰を身体に出しているものもいる。
ここではトカゲはその種のままで多様に進化しているようだ。
歩く姿は「ユリの花」?
Youtube に載せましたので、その動画をどうぞ。
まれに散歩中の人に出会うが、カメラを持っているのでカンガルーを撮ったかと尋ねてくる。
手のひらサイズのデジカメとなれば対象物はカンガルーしかいない。
まさか、大きさが13,14センチほどのひらひら飛ぶムシクイを狙っているとは誰も思わない。
一眼レフでもぶら下げていれば、バードウオッチングか、と聞いてくるのだろうが。
レッドバックを求めて、また行かねばならない。
[かもめーる]
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