2011年2月11日金曜日

地上のアバター ?

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● アマゾン奥地の種族と住まい


 いわゆる未開種族というのはアフリカからは姿を消してしまった。
 たくさんの国家が雨後のタケノコにように誕生し、人為的に網の目のように国境を張り巡らしたためである。
 残されたは、ここアマゾンの奥地のみ。
 いわゆる秘境。
 ブラジル一国という政治的環境に助けられ、熱帯雨林に守られ、人の侵入を拒んでいるのがこの地。
 ギズモードにそこに住む種族の映像がありました。


GIZMODE ギズモード 2011.02.07 21:00
http://www.gizmodo.jp/2011/02/post_8445.html

 まるで地上のアバター。
 アマゾン未開の赤い種族の初映像をBBCが公開(動画)

 靄が立ち籠めるジャングルの奥地に、ひっそりと暮らす種族。
 その姿はまるで、からだを赤く染めたアバターのようです。

 ペルー&ブラジル国境のアマゾン流域で近年見つかった未開の種族の映像を英BBC放送「Human Planet」シリーズ取材班が初めて撮影しました。
 外部と接触のない種族は世界に「約100」あると言われますが、今回は空に向かって弓矢をひくでもなく、ポカ~ンと見上げてますね。
 空からコーラの瓶が落ちてきた時のブッシュマンみたいな気持ち...なのかな?


110201_uncontacted_family-closeup.jpg


 密林の奥に未開の種族がいることは長年、森林伐採業者・政府の間で「迷信」と片付けられてきました。
 この種族が「実在」することが写真で証明されたのは2008年のこと。
 アマゾンに40年近く住むJose Carlos Meirellesさん(種族保護団体「Survival International」代表)がブラジル政府探検隊を居場所まで案内し、写真を撮影・公開したのが最初です。


110201AlJazeera_isolated_tribes.jpg
これは2008年の写真(c)FUNAI/State of Acre(via AlJazeera)


 「未発見の」、「失われた」と各国のマスコミが見出しを打ってしまったため、英紙ガーディアン日曜版のザ・オブザーバーに
 「1世紀も前から見つかっているのに何を今さら。デマ」
と叩かれたのでご記憶の方も多いんじゃ? 
(後に「保護団体は未発見と偽ってもいないし偶然撮影に成功したとも言ってなかった」と謝罪記事を掲載)
Meirellesさんがこの種族を見つけたのは実はもうかれこれ20年も前のことです。

 彼のように外部と接触のない部族を探し求めてアマゾンを彷徨い、見つかると距離を置いて見張り場をつくって「文明」との接触から部族を守る人のことを、現地の言葉で
 「sertanista」
と呼びます。
いわば守護神ですね。

 Meirellesさん(現在はブラジル政府インディアン関係局職員)の団体では
 「周辺の種族もここに集まってきたのは違法な森林伐採で居場所が狭められているせいではないか」
と考え、保護を政府に働きかけているんですね。

 種族のプライバシー保護を訴える団体が、空撮で種族のプライバシー侵すのも矛盾してる気がしますけど、保護団体はこう正当化していますよ。
「 
 こうした人々が存在することを認めてもらう必要があるので、その事実の裏付けとして写真の使用は支持しています。
 こうした人々は最も基本的な人権、特に生きる権利を無視されてきました...この我々が彼らを守ってやることが重要なのです。


 冒頭の動画の中でMeirellesさんは、こうも話しています。


国外から応援してもらうには、映像でも撮るほかないのです。
 千の報道より写真1枚の方がインパクトはあります。
 違法な伐採業者や炭鉱労働者が接触したらカメラじゃ済まない...銃を浴びせるでしょう。


外部との接触を選ぶも選ばないも彼らの自由。
 土地を護り、侵略者を遠ざけておくのが我々の役目です。
 なるほど。BBCも干渉を最小限に抑えるため撮影では、1km離れた場所から超ズームレンズで撮ったそうですよ。


110201_uncontacted_men-close.jpg


 レヴィ=ストロースによれば「女の交換」をしないといけない。
 これは近親婚の防止の役目をしている。
 近親婚は種族滅亡への確実なステップであることは知られている。
 女の交換をすることで、「種保存」を実行している。
 ということは、アマゾンの奥地には相当数のいわゆる未開種族がいるということであろう。
 写真でみるように、ここの住居は大きい。
 いわゆる大家族であろう。
 それがおそらくは季節ごとに渡をしているのではないかと思う。




 [かもめーる]




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