_
● 18日 TBSニュースから
『
中央日報 2011年03月18日 09:35:43
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=138296&servcode=A00§code=A00
<東日本大地震>米「4号機の冷却水はない」、日本「安定的」と即時反論
「福島原発から半径20キロメートル以内の住民は待避するように」
(菅直人首相、15日)
「福島原発から半径80キロメートル以内の米国人は待避するように」
(駐日米国大使館、17日)
福島第一原発をめぐる日本と米国の見方は違いが大きい。
福島第一原発の危険度に対し相反する判断をみせている。
米国と日本は17日、福島第一原発4号機の核燃料プールの水位をめぐる攻防を見せた。
米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は、米下院エネルギー委員会に出席し、
「福島第一原発4号機に保管されている使用済み核燃料を貯蔵する核燃料プールの水は完全に失われたとみている。
放射能の危険度は相当に高いだろう」
と述べた。
これに対し日本はヤツコ委員長の発言をすぐさま否定した。
東京電力は午前7時10分の会見で
「4号機の状況は安定的」
と反論した。
ヤツコ委員長はエネルギー委員会を終え記者らと会い、
「私が持っている情報は東京に派遣された専門家らが送ってきたもの。
(4号機の冷却水がなくなったという)情報は信じるに値する」
と説明した。
また、
「(冷却水がなくなったということが)間違いであることを切に願っている」
と述べた。
英日刊紙ガーディアンは東京電力側がヤツコ委員長の発言を否認してから30分後には彼が自分の主張を繰り返したと報じた。
米原子力規制委員会は原発事故後、所属専門家11人を日本に急派している。日本の枝野幸男官房長官は午前の記者会見で
「米国に情報を伝えているが時差がある」
と釈明した。
メディアも見方に違いがある。
NHKはこの日午前7時に
「東京電力が新しい電力ケーブル設置を急ぎ、冷却システムを再稼働させるため努力している」
と肯定的なニュースを伝えた。
しかし米ABCは
「米官僚らが、日本政府が
24時間から48時間以内に事故を起こした原発を統制できなければ
数十年ぶりの
最悪の事態に直面しかねない
と警告した」
と報道した。
』
『
デイリースポーツオンライン 2011年3月18日
http://www.daily.co.jp/gossip/article/2011/03/18/0003874687.shtml
決死の放水…福島原発で危険ミッション
「なんとか原発をおさえてくれ」‐。
祈るような声の中、東日本大震災による東京電力福島第一原発に対する決死の作戦が開始された。
政府の対策本部は17日午前から放水作業を始め、陸上自衛隊のヘリコプター2機を使い、原発3号機に上空から水を投下。
夜には自衛隊の消防車両による地上からの放水も行った。
水位低下で過熱している使用済み燃料プールを冷却し、外部への放射性物質放出を防ぐ前例のない試み。
自衛官や警察官に被ばくを強いる危険な作戦が空と陸から展開された。
◇ ◇
生中継でテレビ画面に映し出された懸命の作戦を、国民の誰もが固唾(かたず)をのんで見守った。
避難指示範囲である30キロ以上離れた場所からNHKがとらえたのは、自衛隊の迷彩色ヘリコプター。
大型ヘリが、鉄骨がむき出しになった“廃屋”に、大量の水を空から投下すると、水蒸気とみられる白い煙が立ちあがった。
「ヘリコプターが水を投下した。9時48分、3号機です」。
防衛省15階にある統合幕僚監部報道官室では、数分おきに投下の様子がテレビに映し出された。
現場では、特殊な防護服を着た自衛隊員が現場上空の放射線量が作業に問題ないことを確認。
7500リットルの容器に海水を入れた大型ヘリ2機で計4回にわたって冷却機能が停止した原発3号機をめがけてスイッチを入れると、水は霧状になって原子炉建屋にかかった。
「風にあおられ、建屋の中に落ちなかった水も多そうだ。放射線量を考えると、ヘリの高さはあれが限界だろう」‐。
見守った幹部は、作業の困難さに悔しさをにじませた。
投下後、北沢俊美防衛相は
「間違いなく3号機にかかった。地上からの放水が決断できない状況下で、きょうが限度だ」
と、この日早朝に菅直人首相と相談し、作戦の実行を決断したと明かした。
東電のデータによると、第一原発敷地内の放射線量は、投下を終えた10時すぎにも変化が見られず、放水後の午後1時半には、原発敷地内の一部で午前中に毎時3700マイクロシートベルトだった放射線量が毎時4千マイクロシートベルトを超えた。
今後も周辺の放射線量の変化を分析、冷却効果や対策を検討する。
社員の一人は、自衛隊ヘリによる水の投下に感謝の意を示し、
「自分の会社の施設が社会に不安を与えているのが本当につらい。祈るような気持ちだ」
と唇をかんだ。
一方、地上からも放水作戦が展開された。
午後7時35分から、車外に降りずに放水可能な自衛隊の消防車両が3号機へ30トンを放水。
5台が代わる代わる、高濃度の放射性物質の放出を防ぐため、爆発で損傷した建屋の開口部から水を入れる難しい作業に挑んだ。
警視庁の高圧放水車も参加したが、放射線量が高く、離れた場所から放水したものの、現場まで届かずに途中で作業を中断した。
陸上自衛隊制服組トップの折木良一統合幕僚長は、自衛隊挙げての原発事故の対処に
「持てる力を最大限発揮できるようにしたい」
と強い意志を示した上で、作業については
「今持っている全ての能力だ」
と覚悟を示していた。
「よくやってくれた」。
首相は北沢氏や折木統合幕僚長をねぎらった。
18日以降も自衛隊によって続けられる放水作戦。
防衛省の背広組幹部は言った。
「危ないからといってやらないわけにはいかない。でも隊員を特攻隊にしてはいけない」
と。
最終手段とされる重要性と、被ばくの危険性を抱えた決死の作戦を国民は見守っている。
』
『
日経web 2011/3/18 11:57
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E3EAE2E2EB8DE3EAE2E1E0E2E3E39F9FE2E2E2E2
福島第1原発、冷却電源復旧急ぐ 放水も継続
深刻な状態が続く東京電力福島第一原子力発電所では、使用済み核燃料プールに放水を再開する準備作業が進んでいる。
自衛隊は18日午後、3号機へ地上から放水する方針だ。
東京電力は冷却機能を回復するための電源復旧を急ぐ。
大量の放射性物質が飛散するという最悪の事態を避けるため、決死の作業が続く。
放水はヘリコプターによる上空からではなく、待機中の消防車両11台すべてを充てる予定。
北沢俊美防衛相は18日の記者会見で
「昨日(の放水)は一定の成果があった。
きょうはさらに根本的な対応が必要だ」
と強調した。
東京消防庁も18日未明、消防車両計30台を擁するハイパーレスキュー隊など30部隊(計139人)を派遣した。
菅直人首相が石原慎太郎都知事に協力を要請。
これを受け、東京都足立区の第6消防方面本部から出発、午前7時すぎに現地に着いた。
一方、原子炉を冷やす電源の復旧作業の進捗について、東電は18日午前、建屋での配線に着手したことを明らかにした。。
午後に発電所の外につながるケーブルまで接続するという。
経済産業省原子力安全・保安院も「18日中に1、2号機に電源をつなぎたい。
20日には3、4号機の電源も復旧したい」とコメントした。
17日に実施した放水作業では自衛隊の消防車5台とヘリコプターを使い、計約60トンの水を放水した。
プールにどのくらい入ったかはわからない。
保安院は放水の効果を調べるため、原発周辺の放射線量を測定した。
微減傾向にあるが、放水の成否は不明としている。
枝野幸男官房長官は 18日の記者会見で、原発から半径20キロ圏内を圏外退避、20~30キロ圏内を屋内退避としていることに「現時点では適切」との考えを改めて示した。
』
『
YOMIURI ONLINE 2011年3月18日12時19分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110318-OYT1T00462.htm
東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所3号機の使用済み核燃料一時貯蔵プールへの自衛隊の大型輸送ヘリによる海水投下、大型消防車両の地上放水から一夜明けた18日、同原発敷地内2地点で観測されている放射線量は、ともに低下している。
枝野官房長官は同日記者会見し、
「プールに水が入っているのは間違いないが量は不明」
と述べ、効果は確認されていないとした。
依然、3号機の使用済み核燃料一時貯蔵プール付近からは白煙があがっており、東京消防庁は同日、大規模災害に対応する部隊や特殊車両を現地へ派遣し、自衛隊などとともに注水作業に当たる。
一方、東電は、原子炉を冷やす緊急炉心冷却装置(ECCS)などに対する電源の回復作業を進め、2号機への送電線敷設をほぼ完了した。
』
『
ロイター 2011年 03月 18日 14:11 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20122920110318
福島第1原発からの放射能漏れは局所的、差し迫るリスクない=WHO
[北京 18日 ロイター]
世界保健機関(WHO)の中国駐在代表マイケル・オレアリー氏は18日、東日本大震災で被災した福島第1原子力発電所からの放射性物質拡散は局所的なものにとどまっており、
現時点で人体への差し迫ったリスクはない
との見方を示した。
福島第一原発では17日、使用済み燃料プールを冷却するため、陸上自衛隊のヘリコプターから3号機への散水を実施。
警察の放水車や自衛隊の消防車からの放水も行うなど、最悪の事態回避へぎりぎりの対応が続いている。
18日も放水が続く見通しで、注水ポンプ稼働のための電源確保に向けた作業も続いている。
各国当局は、同原発からの大規模な放射能漏れが深刻な健康被害をもたらす恐れを警戒しており、中国など近隣諸国は放射線レベルの監視体制を強化している。
』
『
ロケットニュース24 2011年3月18日
http://rocketnews24.com/?p=81316
福島原発「チェルノブイリを超える事故の可能性」フランスの研究所が示唆
福島第一原発の事故に関しフランスの放射線保護原子力安全研究所(IRSN)は17日、
日本が48時間以内に何らかの有効な手段を
講じなければ、チェルノブイリを超える悲劇が起きかねないとの見解を示した。
冷却機能を失い、大量の放射性物質放出の恐れがある東京電力福島第一原発3号機に対して自衛隊は17日、ヘリコプターから計30トンを放水したが、効果については評価は難しいとしている。
その後行われた自衛隊、警視庁による車両からの放水も、放射線濃度が高いため十分に近づけず、計画通りの冷却には至らなかった。
これを受けて各国の原子力安全機構からは、日本政府の対応や国民への警告が不十分として次々に憂慮の声が上がっている。
アメリカの原子力規制委員会は
「爆発等の状況から見るに、使用済み燃料プールの水が残っていない可能性もある。
放射能レベルが極めて高くなった場合、更なる是正措置を取ることは困難」
と述べ、燃料の再臨界によるメルトダウンの可能性を指摘。
イギリス外務省も
「状況は明らかに悪化している」
とコメントした。
またフランスの放射線保護原子力安全研究所は、
「これまでの対策がほぼ失敗していることを考えると悲観的にならざるを得ず、危険は大きいと考えている。
最悪の場合チェルノブイリを超える事態になる」
としたうえで、
「しかしできることはまだある。
これから48時間の対応が非常に重要」
と述べた。
1986年4月に旧ソビエト連邦(現ウクライナ)で起きたチェルノブイリ原子力発電所事故は死者数4000人とされているが、被ばくと癌や白血病の直接の因果関係は証明しづらく、長期的に見ると実際の死者数は数十万人とも言われる。
しかし最大の問題はパニックや機密漏えいを恐れた政府がただちに事故を公表せず、近隣住民退避も行わなかったことにある。
17日の放水には一定効果があったとの見方もあり、そもそもチェルノブイリと福島原発の事故は状況がまったく異なるとする専門家の意見もある。
数々の情報が錯綜するが、噂に翻弄されず正確な情報収集、判断を行うことが重要だ。
同時に政府にも迅速な対応、的確な情報公開を望みたい。
』
『
サーチナニュース 2011年03月18日15時27分
http://news.livedoor.com/article/detail/5424688/
世界の関心が日本の大地震災害に向けられている。
特に、福島第1 原発で相次いで発生した爆発により、人びとは原子力発電の安全性を改めて議論するようになった。
国際原子力機構中国代表団の前団長で中国国防科学技術工業委員会(現・中国国家国防科学技術工業局)システム二局の巡視員である兪卓平氏は17日、中国網(チャイナネット)に対し、福島の原発事故について解説した。
兪卓平氏は、福島第1原発の放射性物質漏えい事故とチェルノブイリ原発事故はまったく異なるものだと述べた。
兪卓平氏によれば、まず原子炉が異なるという。
福島原発は沸騰水型原子炉(軽水炉)であるのに対し、チェルノブイリは黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉(黒鉛炉)である。
また、チェルノブイリの原子炉には設計上の欠陥があった。
核反応の過程で炉内の圧力が上がるが、チェルノブイリには圧力容器がなく、圧力を逃がす構造になっていなかったため、爆発を起こしたのだと兪卓平氏は紹介した。
爆発により黒鉛と破片が飛び散り、放射性物質を含んだちりや破片などが、風に乗って凄まじい勢いで拡散したという。
当時発表された死亡者は31人だった。
福島の原子炉はチェルノブイリのものとは構造が異なっている。
しかし、メルトダウンと燃料棒の破損により、放射性物質を含む気体が周囲に拡散した。
兪卓平氏は、「気体にはヨウ素やウラニウム等の放射性物質を含んでいるとみられる。
しかし、これらの拡散範囲は福島県の周囲約2~3キロにとどまる。
また、99%以上の放射性物質は炉内に残ったままになる」と述べた。
兪卓平氏は福島とチェルノブイリでは拡散した放射性物質も異なると述べた。
福島では放射性物質を含んだ気体が拡散されたのに対し、チェルノブイリでは固体が拡散されたのだという。
』
『
サーチナニュース 2011/03/18(金) 15:36
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0318&f=politics_0318_005.shtml
IAEA、「福島原発の状況は今も深刻だが悪化せず」
IAEA・国際原子力機関のアンドリュース事務局長特別補佐は17日、ウィーンで
「日本の福島原発の被災状況は依然として非常に深刻だが、一段と悪化してはいない」
と述べた。
中国国際放送局が報じた。
これはIAEAが日本の原発事故について行った4回目の記者会見で述べたもので、IAEAの天野之弥事務局長が実地調査のため日本に向かったことから、アンドリュース事務局長補佐が記者会見を主催した。
アンドリュース補佐は、
「現在、福島第1原発の1号機と3号機の冷却システムはまったく制御できなくなった。
しかし、その状況は相対的に安定し、自衛隊は高圧送水車とヘリコプターを派遣して注水を行い、温度を低下させようとしている。
また、4号機の状況ははっきりしないため、これを懸念している。
そして5号機と6号機の状況はいまのところ安定している。
しかし、圧力容器の水位は下がっている」
と述べた。
アンドリュース補佐はまた、
「原発の周辺半径30キロ範囲以内の一部地方の放射能汚染量はこれまで24時間に著しく増え、数倍なったところもあった。
しかし16日来、東京での放射能汚染量はそれほど変わっていない」
と述べた。
』
『
YOMIURI ONLINE 2011年3月18日18時01分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110318-OYT1T00774.htm?from=os4
福島第一原発の深刻度「レベル5」に引き上げ
経済産業省原子力安全・保安院は18日午後6時ごろに記者会見し、東京電力福島第一原子力発電所を巡る事故について、国際原子力事象評価尺度(INES)の暫定値を従来のレベル4からレベル5に引き上げ、18日夕に国際原子力機関(IAEA)に伝えたことを明らかにした。
引き上げの理由として「炉心燃料の3%以上の重大な損傷に該当し、所外に放射線物質が放出されている」ことを挙げた。
』
専門家の間でも意見が左右に大きく別れているようです。
基本的なことは、
地震があったとき原発は自動停止している
ということでしょう。
つまり、原発内部では核分裂反応は起きていない。
発電とは核分裂反応によって生じる熱で水を蒸気に換え、それでタービンを回すことである。
核分裂が停止しているということは、
新たな熱供給は行われていない
ということである。
あとは冷えてくるのを待っていればいいわけです。
でも高温になっているため、それが冷えるのに時間がかかる。
時間がかかると炉心が高温のため溶解し、そのとき放射性ガスを出す。
これがいま問題になっていることのようです。
そこで炉心を冷やすために通常なら水中に浸しておくのだが、いまその水が半分あるいはそれ以上に低下しているらしいと思われる。
よって、高温部分の炉心が溶け出し放射性ガスが放出されているということである。
まずは冷やすこと、それが優先課題になる。
時間がたつにしたがって、核分裂反応が止まっている以上、放っておいても時間的には冷えていく。
すでに核分裂が停止してから一週間たっている。
この一週間でどれほど冷えたかである。
冷えていけば水がなくても溶解は停止する。
が、まだ放射能ガスが検出されているということは
溶解が停止するほどまでに冷えてはいない
ということであろう。
水中なら「0度」である。
空気中なら、雪交じりの気候のようだったから平均では「5度」くらいか。
閉鎖空間なら10度か15度くらいか。
でもヘリから水が見えたというと、外気に近いということになる。
とすると「10度以下」だろうか。
つまり、その程度の差でしかない、ということである。
10度の冷気で炉心は冷やし続けられているというのが一般論であろうか。
48時間というのは、おそらく炉心が自然に冷えて溶け出しが収束し、放射性ガスの発生が止まるということなのであろうか。
でも、チェルノブイリを超える事故になるというのは理解できないのだが。
繰り返すが、核分裂反応は停止しており、すでに一週間がたっている。
なのになぜ、「チェルノブイリ事故を上回る」という表現が出てくるのか。
正直、私は原子力については無知に近い。
この私の無知を補ってくれたのがこの記事。
『
毎日jp 毎日新聞 2011年3月18日 22時43分
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110319k0000m040125000c.html
福島第一原発:「冷却」「電源復旧」懸命に…事故1週間
東日本大震災の発生から18日で1週間。
東京電力福島第1原子力発電所では炉心過熱と燃料棒の一部溶融、原子炉建屋(たてや)の爆発、高レベル放射性物質の放出、使用済み核燃料プールの沸騰などが同時多発的に発生。
「世界一安全」をうたう日本の原発のもろさが露呈した。
現場では、重要施設の冷却作業と命綱の電源復活に向けて、作業員らが強い放射線にさらされながら緊迫した作業を続けている。
◇津波で電源喪失
11日午後2時46分、三陸沖で発生したマグニチュード(M)9.0の巨大地震が福島第1原発を襲った。
地元の福島県大熊町は震度6弱。
6基の原子炉のうち、運転中だった1~3号機は直ちに自動停止した。
関係者がほっとしたのもつかの間、非常用発電機が使えないことが分かった(現在1基は稼働中)。
発電機の過熱を防ぐ冷却ポンプが津波で使用不能になったためだ。
原発は一つのトラブルがあっても、別の仕組みで補い、高レベル放射性物質が外部に漏れる最悪の事態を回避する「多重防護」の考え方で設計されている。
だが今回は、停電を補うはずの非常用電源が機能しなかった。
電源喪失で、原子炉や使用済み核燃料プールの冷却が不十分になり、事故の連鎖を招いた。
東電の小森明生常務(原発担当)は「10メートル以上の津波は想定していなかった」と釈明する。
◇同時多発事故
1号機は12日の水素爆発で原子炉建屋の上部外壁が吹き飛んだ。
炉内の温度が上がって冷却水が蒸発。
露出した高温の燃料棒と水が反応して発生した水素が建屋内にたまったのが原因と考えられる。
13日には3号機で炉内の燃料棒(長さ約4メートル)が最大2メートル露出したことが判明、翌14日に原子炉建屋上部で水素爆発が起
15日には2号機の格納容器の一部「圧力抑制プール」で爆発が起きた。
◇停止中原子炉も
事故は、運転していなかった4号機にも及んだ。
15日、使用済み核燃料プールで水素爆発と火災が起きた。経済産業省原子力安全・保安院によると、プール内の核燃料から出る熱で水温が上がり、蒸発が進んで燃料棒が露出、水素爆発を招いたとみられる。
現在、トラブルがない5、6号機でもプールの水温が徐々に上がっている。
原子炉内の核燃料は頑丈な格納容器に守られているが、プールはそれがない分、危険度が増す。
当初「原発から半径2キロ」だった避難指示は、事態悪化に伴い3キロ、10キロ、20キロと広がった。
◇陸と空から放水
政府と東電による対策統合本部は、3号機の核燃料プールの冷却に向け、陸と空から放水を継続。並行して、約20人が電源確保の作業も進めている。
放射線量が高いため、作業員は顔面をすべて覆うマスクや特殊な防護服を着用。
線量計で累積被ばく量を計測しながら、交代で時間との闘いを続けている。
◇原子炉◇
核分裂反応を起こしてエネルギーを発生させる装置。
商用原発では、この熱で水を沸かして発生した水蒸気でタービンを回し発電する。
原子炉は
(1)核物質のウランを焼き固めたペレット
(2)ペレットを密封するための被覆管
(3)鋼鉄製の厚さ約16センチの圧力容器
(4)それを収納する原子炉格納容器
(5)厚さ1メートル以上のコンクリート製の原子炉建屋
で5重に守られている。
◇水素爆発◇
燃料棒の被覆管に使われるジルコニウムは、1100度を超えると反応性が高まる。
原子炉内で過熱したジルコニウムが水と反応して水素が発生。空間の体積の14%を超えると、空気中の酸素と反応し爆発する性質がある。
1、3号機で起きた水素爆発は、炉内で発生した水素が配管などを通じて原子炉格納容器の外に漏れだし、原子炉建屋内にたまって爆発したとみられる。
◇使用済み核燃料プール◇
原子炉で使った燃料棒を、使用後の一定期間貯蔵する施設。
原子炉建屋内の、原子炉格納容器の上部付近にある。
原子炉から運び出された燃料棒は高熱のため、水で満たしたプールの中で、3~5年保管して冷やす。その後は再処理して核燃料として再利用する。
◇炉心溶融◇
原子炉内の温度や圧力が上がりすぎ、冷却水が失われて燃料棒が露出した結果、溶けて破損する状態。
炉心すべてが溶融する「メルトダウン」は、溶け落ちた高温の燃料が原子炉圧力容器の底を破って外側の格納容器内に落下すれば、水などに触れて大爆発を起こし、圧力容器や原子炉格納容器を破壊、放射性物質をまき散らす危険がある。
』
もっと分り易かったのがこのサイト。
抜粋で。
『
池田信夫blog 2011年03月18日 09時45分
http://news.livedoor.com/article/detail/5423539/
チャイナ・シンドローム
福島第一の場合には、制御棒が挿入されて核反応は終わっており、5日以上冷却されている。
燃料が溶融して厚さ15cmの鋼鉄でできている圧力容器を破壊し、さらに格納容器も破壊することは考えにくい。
格納容器の中には海水が満たされており、最悪の場合でもそこで止まるだろう。
原発の危険は核爆発ではなく、放射能汚染である。
この点では、原子炉よりも使用ずみ核燃料の問題のほうが深刻だ。
プールに保存されている核廃棄物は約200トンで、原子炉内の核物質より多く、その主要な成分であるプルトニウムの毒性は核燃料のウランよりはるかに高いからだ。
さらにサイト内には6400本の使用ずみ核燃料が貯蔵されており、この冷却がうまく行かなくなると危険である。
使用ずみ核燃料で事故が起きた場合にどうなるかも想定されており、これは再処理工場の事故に近い。
核廃棄物が過熱して火災が起こると、それによって放射性物質が拡散され、サイトの周辺が放射能で汚染される。
今のところ使用ずみ核燃料プールの温度は100℃以下と推定されているので、それほど心配はない。
が、ここで核廃棄物が集まって再臨界を起こすと暴走して、大量の死の灰が炎に乗って立ち昇るおそれがある。
このような最悪の事態が発生しても、人体に影響が出るのは原発から半径100km以内だろう。
』
http://www.youtube.com/watch?v=A-Q-tpN4ZuA&feature=player_embedded
なを、この東京消防庁の放水は下の記事によると行われなかったようです。
『
NHKニュース 2011年3月18日 19時54分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110318/t10014769341000.html
自衛隊 夜間に再度放水を検討
福島第一原子力発電所3号機を冷却するため、自衛隊は、18日の午後に続いて夜、消防車を使った2回目の放水を行う検討を進めています。
一方、東京消防庁は、離れた場所にある水源からホースで水をくみ上げ、長時間放水し続けることができる態勢を整えようとしていますが、現在、作業をいったん中断しているということです。
福島第一原子力発電所3号機を冷却するため、自衛隊は、各地の航空基地から集めた特殊な消防車6台を使って、18日午後2時前からおよそ40分間、放水作業を行いました。
6台は、17日と同じように1台ずつ、3号機の近くまで前進して放水し、これに続いて、東京電力の協力会社の社員が在日アメリカ軍から借りた消防車1台を使って放水を行ったということです。
放水した量は、この7回であわせて50トンで、防衛省によりますと、水は3号機の建屋の中まで届いているということです。
自衛隊は、この作業に続いて18日夜、消防車を使った2回目の放水を行う準備を進めています。
一方、防衛省によりますと、東京消防庁が離れた場所にある水源からホースで水をくみ上げ、長時間放水し続けることができる態勢を整えようとしていますが、現在、作業をいったん中断しているということです。
』
そして、開始されたらしい。
http://news.google.co.jp/nwshp?hl=ja&tab=wn
● TBS ニュース
== 東日本大震災 ==
_